看護師国家試験が目前に迫ってきました。
そわそわして落ち着かない人も多いのではないのでしょうか。
国試当日、

たくさん勉強したのに、緊張で頭真っ白。全然できなかった…
というような最悪な事態は避けたいですよね。
そこで今回は「緊張」をテーマにしました。


ですが!
「緊張しない方法」とかを語るつもりはまったくありません。
私は緊張しない人や緊張しない方法は、存在しないと思っています。
そこでここでは
- 緊張のメカニズム
- 緊張を和らげる方法
をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
なぜ人は緊張するの?
そもそも、人はなぜ緊張するのでしょうか。
緊張すると心臓がバクバクしたり、手汗ビッショリになるのはどうしてでしょうか。
緊張を味方にするために効果的な対策を講じるには、まずは緊張の正体を知る必要があります。
緊張のメカニズム


緊張は、人が非日常的な出来事に遭遇したり、身の危険やストレスを感じたときに、ノルアドレナリンという脳内物質が分泌されることで交感神経が刺激されて起こります。
交感神経が刺激されてノルアドレナリンからアドレナリンが生成されると、心拍・血圧・体温が急上昇するため、それを抑えようとして発汗や動悸・震えなどの症状が現れます。
緊張は「人の防衛反応」


緊張すると、呼吸が浅く早くなったり筋肉が硬くなります。
これは自分の身体を守ろうとしているため。
人は危険を察知したとき、すぐに動いたり逃げたりできるように、身体を覚醒・興奮させて「戦闘態勢」になるんです。
私たちが狩りをしていた原始人の頃から「本能」として備わっています。
狩りって生きるか死ぬかの世界ですもんね。
緊張するということは、自己防衛本能が働いているということなのです。
適度な緊張にはメリットもある
じつは適度な緊張にはメリットもあります。
緊張したときに身体反応を引き起こすアドレナリンは、頭を覚醒させ集中力を高める働きもあります。
適度な緊張は、瞬間的に集中力が増し、より高いパフォーマンスをするためには欠かせないものでもあるのです。
リラックスした状態では注意力が散漫になることもあり、場合によってはミスしてしまうことも。
適度な緊張感があることで、実力を最大限に発揮することができると考えられます。
「落ち着け自分」は逆効果!緊張を認めてあげよう


私たちは極度な緊張状態になると、パニックや頭が真っ白になったりと自分を見失ってしまいがちです。
そんなとき、「落ち着け自分!平常心、リラックス」と自分に言い聞かせるは逆効果。
「自分は落ち着いていない、リラックスできていない=緊張している」と余計に意識してしまい、焦りが生じます。
また緊張するのは正常な身体反応であり、「緊張する」という感情は自然に湧いてくるもの。
ここで「緊張するな!」と考えると【感情と思考の不一致】が起こり、パフォーマンスを低下させる原因のひとつになります。
本番で自分の実力を最大限に発揮するためには、緊張している自分を否定せずに認めてあげることが大切です。
緊張を和らげる方法
それではここからは、誰にでも簡単にできる緊張を和らげる方法をご紹介します。
「ほんとに効果あるのかな?」と半信半疑で実践するのではなく、身体のメカニズムや効果を意識して実践してみましょう。
ぴょんぴょん飛び跳ねてみる


スポーツ選手が本番直前に、手足をブルブルさせながらぴょんぴょん飛び跳ねているのを見たことありませんか?
あの動き、ただの準備運動ではないんです。
緊張すると、筋肉が萎縮し硬くなって身体の重心が上がってしまったり、横隔膜も上がり呼吸が浅く早くなってしまいます。
ぴょんぴょん飛び跳ねることで筋肉をほぐすことができます。
さらには、ジャンプして身体を宙に浮かすことで、ゆがみやズレが修正され重心がリセットされるんです。
また身体と心はつながっています。
緊張して心が落ち着かなくなってきたら、身体からアプローチをかけてみましょう。



方法は簡単です
ぴょんぴょん、または軽くトントンと、何度も飛び跳ねるだけ。
それだけで肩の力が抜け、身体のこわばりが緩み、身体がポカポカしてきますよ。
筋弛緩法でストレッチをする


先ほど紹介したジャンプと共通しますが、筋弛緩法も身体からアプローチをかける方法の1つです。
筋肉を緊張させてから緩める動作を繰り返すことで、こわばった筋肉が和らぎ心身ともにリラックスしやすくなります。
期待できる効果はこちら。
- 身体の疲れをとる
- 手足の体温を上げる
- 呼吸を深くする
- 眠りやすくする
筋弛緩法はアメリカの医師が考案した方法で、研究でも「顕著な効果あり」との結果も出ています。



しっかりとしたエビデンスもあるので、やってみる価値ありですね
筋弛緩法のやり方をご紹介します。
- 胸を張りながら、肩をすくめるように力を入れます。
- そのまま5~6秒キープ。
- 脱力。10秒ほど力の抜ける感覚を味わう
- 身体の特定の部位に、ぎゅ〜っと力を入れる(全力ではなく、70%の力で行ってください)
- そのまま5〜6秒キープする
- スーッと脱力し、10秒ほど力の抜ける感覚を味わう
(出典:快眠タイムズ)
大切なことは「脱力を思いっきり感じること」。
脱力感を意識することで、リラックス効果がより高まります。
HOTな緑茶でホッとひと息


緑茶のうまみ成分である「テアニン」は、緊張を和らげリラックスを促す働きがあります。
テアニンを摂取すると脳波にα波が出るという研究結果があり、α波が出ると人はリラックスした気分になります。
さらにテアニンを摂取すると、副交感神経の活性度が増すことも明らかになっています。
緊張やストレス状態のときに働く交感神経に対して、副交感神経はリラックスしているときに働きます。
テアニンを摂取することで、リラックスできるわけです。
あったかい緑茶を飲んで、なんだか「ホッ」と落ち着いた気分になるのは、科学的根拠もあったからなんですね。
深呼吸をする


緊張すると交感神経の働きにより、自然と呼吸が浅く早くなってしまいがちです。
ゆっくりと息を吐いて、深呼吸することを心がけてみてください。
深呼吸すると副交感神経に働きかけ、自然とリラックスへ導いてくれます。
さらには深呼吸は、幸福感や充実感を与え感情を安定させる「セロトニン」の分泌を促してくれるんです。
セロトニンには、ノルアドレナリン(別名:緊張ホルモン)の分泌を抑える働きがあるとも言われています。
できる方は腹式呼吸を意識して行うと、より効果的です。
お腹から息をゆっくり長く吐き出すことを意識してみてくださいね!
「ひとり実況中継」で冷静な自分を取り戻そう
緊張でパニックになりそうになったら「ひとり実況中継」をしてみましょう。
やり方は、自分の緊張している様子をアナウンサーになった気分で実況中継するだけ。
「心臓がバクバクしています。おっと手汗もかいてきました!
「今までにない真剣な表情になっています」
「貧乏ゆすりが始まりました。席を立ってお手洗いに駆け込みましたよ」
このように緊張を声に出すことで、自分を客観視することができます。
苦しい状況から逃げずに、繰り返し言語化するのがポイント。
緊張している自分が面白おかしくてなってきますよ♩
心の中で唱えても、声に出してもいいです。
この「ひとり実況中継」は野球のイチロー選手がおこなったことで知られています。
ちなみにイチロー選手は、このようなことを言っています。
「自分のナナメ上にはもう一人の自分がいて、その目で自分がしっかりと地に足がついているかどうか、ちゃんと見ていなければならない」
まるで幽体離脱しているかのようです。
このように自分を客観視することで、不安な感情に飲み込まれずに、冷静で的確な判断ができようになるんですね。
さいごに:緊張を味方につけて看護師国家試験の合格をつかみ取ろう!


緊張は決して悪いものではありません。
今まで一生懸命に努力してきた証だと、私は思います。
ぜひ今まで頑張ってきた自分の努力を自信に変えて、試験に臨んでくださいね。



あなたの合格を願っています!
コメント